夏至を迎えた昨日。

「一年で最も昼の長い日」であるこの日は、日本だけでなく世界各国で大切にされているのだそうな。

中でも、スウェーデンでは「夏至祭」としてクリスマスの次に大きな行事として親しまれている。

スウェーデンの夏至は、北部が白夜で南部も数時間薄暗くなる程度。
花輪の冠や飾りを身につけて、シュナップスと呼ばれる酒を嗜みながら、朝まで沈まない太陽の光と共に歌やダンスを楽しむという。

日本では梅雨と重なることもあり、そこまで夏至を意識することはないかも知れない。
けれど、それでもふとした拍子に「日が長くなったなぁ」と感じることは有るんじゃなかろうか。

社会生活を送る人のほとんどは、毎日ある程度決まった暮らしのリズムを持っている。
しかし、私にとって変わらない日々も、それを行う世界は常に変化を続けている。

同じ時間に目を覚ましても、同じ朝は訪れないし、同じ景色が眼に映ることはないだろう。

「変わらない当たり前」を、つい「退屈な日々」と捉えてしまいがちな私達。
だけれど、変化が当たり前の世界で「変わらずにいられる」ことは、実はとても稀有なことかも知れない。

以前食べた美味しいものをまた食べられること
何処にでも行けるひとが自分のそばに在り続けてくれること

「また明日ね」と、未来の約束が出来ること

誰もが持つ「当たり前の日々」が、本当は何よりも有難く、万人に与えられた唯一の幸福なのだろう。

起きて眠る、繰り返しの毎日。

しかし、だからこそ気付ける変化が確かにあって。
社会が豊かになり、安定した生活を送れるようになった現代人だからこそ、傍らの幸に目を向けて歩みたい。

毎朝呑む、日課の一杯。
少し前までは熱いお茶が美味しかったけど、今日は冷茶が美味しいな。

姿形は無いけれど、確かに感じる夏の訪れ。

私達は、気付くだけ。

片岡妙晶

真宗興正派 僧侶・宇治園製茶公認日本茶大使

ネコさんと売茶翁が好き

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