心と和 第十一杯『人形』
香川県には「人形劇ミュージアム」なる場所が在る。
全国でも唯一の人形劇専門博物館だ。
先日、そこへお邪魔して来た。
図々しくも館長さんにアポを取り、朝10:30から夕方17:00までじっくりと。
人形劇に込められた哲学や想いに始まり、実際の上演風景、舞台裏まで贅沢に。
知れば知るほど広がる世界が心底面白く、ミュージアムに住もうかと思った。(人形のふりをすればイケるかと…)
そんなミュージアムの魅力は人形劇自体に留まらず、人形劇を好きで自分で選び「そこに在る」ことがその全身から伝わる館長さんを始めとしたスタッフの皆さんに有ると感じた。
些細なことだけど、人形達を「この子」と呼ぶ姿がとても嬉しく心地好かった。
人形劇の魅力として「モノに魂を感じる感性」を教えて頂いたが、正しくその姿を背中で見せられ、魅せられた気がした。
そのとき、ふと「真ん中に「仏様」という人形を据えてお浄土の姿を演じる法要も、また人形劇の一種なのかも知れない」と思った。
理想郷を魅せる上で「人形劇」という手段は、古来より人間に対して最適だったのであろう。
そんな文化に対する敬意と慈愛で満たされた空間とはかくも素晴らしく、心地好いものであった。
「しょうまさん」を人形劇化すべく伺った人形劇ミュージアムだったが、帰り際にはもう伝道とか抜きに「一刻も早く自分の子を作って抱きたい」という気持ちでいっぱいだった。
ふかふかのハンドパペットも可愛いけど、アーティスティックなワヤンにも惹かれる…どっちも作ろ。
令和の伝道劇は人形よ!
片岡妙晶
真宗興正派 僧侶・宇治園製茶公認日本茶大使
ネコさんと売茶翁が好き
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