誕生日プレゼントに「たい焼き器」を貰った。

ずっと欲しい欲しいと言っていたので、とても嬉しかった。

早速作ろうと試みたが、たい焼き用の材料が無かったので、第一作は代用品で済ませることにした。

食パン2枚でベーコンとチーズをはさみ、たい焼きホットサンドを作った。

普通のホットサンドより美味しく感じた。

日本人の食文化『和食』はユネスコ世界文化遺産にも登録され、世界的に認められている。

その特徴は、「食」を栄養摂取に留まらず「自然の美しさ」「年中行事」など、数々のよろこびを食卓に表現するところにある。

その観点から見て「たい焼き」はまさに日本文化の結晶だと私は想う。

日本人に「タイ」と言えば「めでタイ」

たい焼きのタイもやはりそこから来ていて、鯛がまだまだ高級魚であった時代、その姿を模したたい焼きは縁起物として庶民へ飛ぶように売れたという。

初めてたい焼きを作った店は、元々大判焼きを売っていたそうだが全く売れず、その後は亀など試行錯誤を繰り返したのち、鯛へ行き着いたのだそうだ。

味だけではない、見た目やその背景にまで気を配る繊細さが日本人には無意識レベルで備わっていたのだろう。

ともすれば「無駄」と切り捨てかねない一手間にこそ、私たちのよろこびは詰まっているのかも知れない。

ペットボトルのお茶も急須で淹れたお茶も「お茶」には変わりないが、心に染み入るのはどちらだろう。

忙しない社会に生きる私たち。
だからこそ、そんなささやかな遊び心を楽しんでゆきたい。

 

「坊主だけど、たい焼きやいたよー」

 

片岡妙晶

真宗興正派 僧侶・宇治園製茶公認日本茶大使

ネコさんと売茶翁が好き

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